昔、付き合っていた彼氏は自立している女性が好きでした。結婚しても仕事を持っていて、という意味の自立した女性のことです。もしも、自分が女性に生まれていたら、きっと看護師の仕事に就いたと思う話していました。どうして看護師なのか、と尋ねると、一生働くことができ自立して生きていくうえで申し分のない経済的な余裕がある、ということでした。
一緒に看護師をめざし看護学校に進学した友人にどうして看護師になろうと思ったのか、と聞いたことがあるのですが、母親が看護師として働いていて影響を受けた、人助けにつながる仕事がしたかった、といった回答がほとんどでした。将来、自立して生きていくことができる、という考え方は一人もいませんでした。
実際に、看護師として働きだしたときに、誰に頼らずとも経済的には申し分なく生活していけることに気付くのかもしれません。正直なところ、社会に出た大人でなければどのくらいの収入があるかなんて知らないし、考えもしないのかもしれません。確かに、私自身も、いろんな求人を見ていて看護師の給料の良さには驚きました。しかし、給料というのは働いた分の対価としてもらえるものです。給料が高額になれば高額になるほど、体力的に精神的にきつい部分があるわけです。また、看護師という仕事は人の命を左右する業務をこなしていかなくてはいけません。医療で働く上での緊張感はどれだけ経験年数を積んだとしても無くなりません。医療の世界にはお給料の高さに比例するさまざまな苦労があるのです。